今年8月に国税庁から「令和6年度租税滞納状況の概要」(※)が発表されました。ここではその結果と過去のデータから、直近10年間の相続税の滞納状況をみていきます。
上記調査結果などから、直近10年間の相続税の滞納状況をまとめると、下表のとおりです。

2024年度の状況をみると、新規発生滞納額は491億円で直近10年間では最も高い額となりました。4年連続の増加です。ただし、整理済額が552億円と、これも直近10年間では最も高くなっており、結果として当年度末滞納整理中のものの額(以下、滞納整理中の額)は、499億円と、直近10年間で最も少なくなっています。
2015年度以降の状況をみると、新規発生滞納額は2020年度が最も少なく236億円でした。以降は増加を続けています。整理済額は2022年度までは200億〜300億円台で推移していましたが、2023年度以降は400億〜500億円台で推移しています。
2021年度までは、整理済額が新規発生滞納額を上回る状況が続き、滞納整理中の額が減少を続けました。2022年度〜2023年度は新規発生滞納額の方が多くなりましたが、上述のとおり、2024年度の整理済額が552億円と多くなったことから、滞納整理中の額は減少に転じています。
国税庁では、租税滞納対策として、広報活動やキャッシュレス納付の推進、個別納付指導など未然防止策を強化しています。滞納発生後は電話催告等で早期整理を進めるなどの取組をしていることから、今後、滞納整理中の額は減少していくのではないかと思われます。
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(※)国税庁「令和6年度租税滞納状況の概要」
2025年(令和7年)8月に発表された資料で、国税の滞納状況をまとめたものです。なお滞納とは、国税が納期限までに納付されず、督促状が発付されたものをいいます。また数字は、四捨五入の関係で合計が一致しないことがあります。
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